薬機法注1)の第2条第14項において、「体外診断用医薬品とは、専ら疾病の診断に使用されることが目的とされている医薬品のうち、人又は動物の身体に直接使用されることのないものをいう。」と規定され、国内では、汎用検査用試薬のグルコースキットなど、体外診断IVD(In vitro diagnostics)は試薬としての名称が使用されています。しかし、体外診断薬は、その特性から、薬機法において、「医療機器及び体外診断用医薬品」や「医療機器又は体外診断用医薬品」と医療機器と並記されることが多く、実質、医療機器と同様の取り扱いになっています。なお、体外診断用医薬品の製造販売承認申請注2)などで測定機器を使用する場合は、使用機器は一般的な名称(分光光度計、血液自動分析装置、血球計数器等)や専用装置の名称を用い、その操作方法は試薬側から見た標準的な手順を記載すること注2)になっています。

一方、FDAは、体外診断用製品を「疾病またはその後遺症を治癒、緩和、治療、予防するために、健康状態の判定を含む疾病またはその他の状態の診断に使用することを意図した試薬、器具、システムで、人体から採取した検体の収集、調製、検査に使用することを意図したもの」と定義しており、これらは連邦食品医薬品化粧品法(Federal Food, Drug, and Cosmetic Act; FD&C Act)で規定される機器として扱われます。(公衆衛生法(Public Health Service Act)の対象となる生物学的製剤である場合もあります。)

また、EUの体外診断用医療機器規則(In Vitro Diagnostic Regulation; IVDR)においても、体外診断用医療機器(in vitro diagnostic medical device)を「製品が体外で使用されることを製造者が意図している、または主としてそれが用いられることを意図している、人体から採取された血液や組織などの検体の検査のため試薬、試薬製品、検量物質、管理物質、キット、器具、装置、ソフトウェア、またはシステムで、単独で使用されるか、または組み合わせて使用されるかを問わない」と規定し、試薬を含めて医療機器として位置付けています。

これらは、国際医療機器規制当局フォーラム(International Medical Device Regulators Forum; IMDRF)注3)が、「診断、モニタリング、適合性の目的のために情報提供することを単独または主目的として、人体由来の検体を体外で検査することを製造業者により意図された、単独または組み合わせて使用される機器であり、これには、試薬、検量物質、管理物質、試料採取容器、ソフトウェア、および関連する機器・装置またはその他の物品が含まれる。」とする定義と一致しています。
(2024年3月1日時点の記載です。)

(注1)薬機法:医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律
(注2)薬食機参発1121第16号「体外診断用医薬品の製造販売承認申請に際し留意すべき事項について」 (平成26年11月21日)
(注3)IMDRFは、国際的な医療機器規制の調和と収束を加速させることを目的とした医療機器規制当局の任意団体